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B群溶連菌(GBS)感染症について

  せっかく、産まれてきた赤ちゃんが、敗血症や髄膜炎を起こし、出生後比較的短い時間で死亡することがあります。これは、ふだんはあまり耳にすることがないB群溶連菌(GBS)感染症という病気によることがあります。B群溶連菌(GBS)が、お母さんの産道にいるために、分娩時に産道で感染することにより起こるわけです。新生児に感染した場合にはこのように重い全身感染を起こすことがあることから、小児科の医師は強い関心を持っており、妊娠中のスクリーニング(全妊婦の検査)検査をする事を希望しています。

 GBSは研究段階で、現在分かっているだけでも10ものタイプがあり、それぞれの感染症・病原性はまだ明らかにされていません。たとえば、妊娠30週に検査をして陽性になった場合、ここで治療しても、分娩までにまた新たな感染が起こる可能性もあります。反対に、予定日近くに検査すると、治療を完了しないうちに分娩になってしまう可能性もあるのです。

 感染の多くは娩出(分娩)の時に起こるので、破水によって感染が成立しやすくなると思われます。陣痛が起こる前の破水(前期破水)のように破水してから分娩までに時間が長ければ感染の機会は、さらに増加すると考えた方がよいでしょう。最近の調査では、1995年に関東地方の産婦人科医療施設で、5505例の妊娠30週前後の妊婦を調査したところ、GBSが陽性であった妊婦さんは1080例(全体の19.6%)でしたが、この中から、分娩後に新生児に感染した例は出ていません。

 当院では、GBSの検査を妊娠30週頃に施行しています。この結果でGBS陽性の妊婦さんには、妊娠中の薬剤投与と分娩時に、GBSに最も強い効果を示す抗生物質を点滴で投与するようにしています。この方法によってGBS感染の発症を1/20に減らすことができると言われています。

 感染すれば、新生児に致死的な疾患を及ぼすことのあるGBS感染症。妊娠30週前後で細菌培養検査を受けること。さらに、妊婦さんでも簡単にできる予防法としては、妊娠中こそきちんとコンドームを使用して、新生児への無用な感染を防ぐように心がけましょう。

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