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新生児聴覚スクリーニング -分娩直後での先天性難聴の発見と早期治療-

  先天性の難聴は、言葉の発達の遅れで発見されることがほとんどで、その時期は2歳から3歳頃になってしまいます。言語の発達はこの時期ではすでに手遅れとなることがあり、それゆえ、早期発見の重要性が以前から指摘されていました。しかし、これまでには有効な発見方法はありませんでした。

  近年、新生児用の優れた聴覚スクリーニング検査を行う方法が開発され、生後6ヶ月以内に聴覚障害の診断を行うことが可能となりました。聴覚障害に赤ちゃんに早くから補聴器をつけての機能訓練や、言語指導を行うことにより良好な言語発達が得られたとの報告が多数あります。

  先天性の難聴は1000人中1~2人に起こるといわれています。その約半数が、ハイリスク児(重症仮死・重症黄疸・極低体重児・子宮内感染)の新生児ですが、残りの約半数は、出生時には何らの異常を示さない児です。この赤ちゃんたちを発見するのは、生まれたすべての赤ちゃんを対象に聴覚スクリーニングを行う必要があります。また、早期に治療を開始することによる効果が、もっとも期待されるのは、これらの合併症を持たない子供たちです。

  聴覚障害のあかちゃんの早期発見・早期治療を行うためには、早い時期にスクリーニングをする必要があります。この意味で、分娩直後の産婦人科に入院中の赤ちゃんに検査を行うことは、極めて好都合です。この聴覚スクリーニング自体が赤ちゃんの睡眠中に施行しなければならなりません。また、生まれた産婦人科にいる間に全員を把握しやすいことでも好都合です。かりに、退院後にスクリーニング検査をした場合には、1回のスクリーニング検査の所要時間も長くなり、全員を把握することも、とても困難となります。

  さて、この聴覚スクリーニングで異常が認められたときには、小児の聴覚障害を診断できる耳鼻咽喉科専門機関で確定診断を行うことになります。気をつけてほしいのは、スクリーニングで異常だからといって、本当に聴覚障害があるかどうかは、確定診断がつくまでわからないわけですから、むやみに悲観的になることはないようにしましょう。

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