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マグロとメチル水銀 -妊婦さんはたくさんマグロは食べないで-

  日本でも厚生労働省からやっと魚に含まれる水銀に関する勧告がでましたが、マグロに関しては今回は触れていません。さて、米国ではマグロに関してどう指導されているのでしょう?

アメリカ食品医薬局(FAD)の諮問機関は、妊娠中の女性はマグロの摂取を制限すべきとの勧告を発表しています。

「妊婦はマグロの摂取量を制限すべきである、なぜならばマグロに含まれる水銀は、生まれてくる赤ん坊の脳の発達に危険なレベルだからだ。」というものです。ほかにも胎児の発育に有害なレベルのメチル水銀を含んでいるとの懸念から、メカジキ、サメ、アマダイ、キンメダイなどを摂取しないように勧告しています。

「今のところどれくらいなら、妊婦にマグロを取ってよいかは分からないが、もし、魚としてツナ缶だけを取っているならば、1週間におそらく170グラムのツナ詰2缶ぐらいは良いだろうといわれています。もし、さらにその他に魚をとっているならば、1缶に制限されるべきだ」と勧告しています。

しかし、マグロを食べる事を完全にやめなさいといっているわけではありません。魚を食べる事は大変健康的なことであり、その効用と今回の水銀騒ぎのマイナス面との兼ね合いは大変難しい事になるわけです。現在、妊娠中の女性がどの程度のマグロの量を食べても構わないかの調査を進めているところです。

さらに、魚の種類により含まれる水銀の量は異なっていますが、大きな魚ほど含まれる水銀の量が多いことは確かです。けれどもマグロをはじめ魚には不飽和脂肪酸が豊富に含まれており、ホルモン制御物質であるプロスタグランディンやアラキドン酸産生に影響を及ぼすために、マグロなどの大型魚の水銀問題だけを取り上げるのはおかしいとの意見もあります。

マグロ好きの日本人にとっては、この水銀問題は気にかかる話ですが、いずれにしても、ある特定のものだけに偏らず、妊婦さんにとっても、バランスよく栄養を摂取する事が大事な事には間違いありません。

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