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妊婦さんとインフルエンザワクチンについて

  今年もインフルエンザの流行時期がやってきました。通常12月から翌年の3月頃までと言われています。妊娠している女性にインフルエンザワクチンを投与して調査した成績は、まだ十分には集積されていませんが、一般的に認められている事実についてまとめてみました。インフルエンザの予防の為に、妊婦さんがインフルエンザワクチンを受けても大丈夫なのでしょうか?また医学的には問題はないのでしょうか?

  インフルエンザは5歳から14歳の罹患率が最も高く、秋から春先にかけて流行します。潜伏期間は短く1~2日で発症し、突然の発熱、悪寒があります。鼻汁、鼻つまり、くしゃみ、咳、のどの痛みなどの普通の風邪で見られる症状のほかに関節痛、筋肉痛なども加わります。肺炎、気管支炎などのほかに、脳炎、ライ症候群、心筋炎、中耳炎の合併症や時として生命の危険もはらむ事もあり、決して軽い病気ではありません。

  これを予防するために、インフルエンザのワクチンを接種しておけば、たとえ罹ったとしても軽い程度で合併症や死亡する危険から身を守る事ができます。しかし、ワクチンを接種していても、その効果は80%ほどであることも知っておきましょう。さて、インフルエンザワクチンは不括化ワクチンであるために、妊婦さんへの接種も理論的には可能です。副作用も生ワクチンより低い頻度の為に比較的安全ですが、どんな医薬品にも副作用があることを忘れないでください。米国(CDC)では妊婦への積極的な接種を勧めていますが、日本ではあまり積極的ではありません。副作用として急性散在性脳脊髄膜炎の報告が過去に9例あります。これらの事を十分に理解して、ワクチン接種をしたほうがいいかどうかを慎重に考えて自分自身で決めるべきです。また、ワクチンの製造過程で鶏卵を用いるので卵アレルギー(卵を食べると蕁麻疹や口腔内がはれたりする)のある人も接種は避けたほうが賢明でしょう。妊婦さんでインフルエンザのシーズンに妊娠3ヶ月を迎える妊婦さんにはインフルエンザワクチンを勧めるほうがよいと言われています。 多くの病院、医院でインフルエンザの予防接種を実施していますが、1回5000円前後かかります。接種にあたっては十分な説明を受け、副作用についても十分に理解しておきましょう。

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