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お産用語の基礎知識

-UMIDASU-

● おしるし

血液の混じったおりもの。お産が近くなり、子宮口が開いてきて、子宮頸管の出口を封じていた血液状の粘液が出てくるもの。陣痛が始まる前に見られることもあるが、お産が始まってからと言うこともある。

● 陣痛(じんつう)

赤ちゃんを生み出すための子宮の収縮。陣痛が周期的に来て、1時間におよそ6回くらい来るようになった時点でお産の始まりと考える。はじめはなかなか分かりにくいが、おなかの張りがふだんとは比べものにならないくらい、硬く、強くなる。腰が重たくなったり、おなかがシクシク痛むというような、生理痛や下痢の痛みに似た感覚で始まり、次第に強くなる。周期的に来ていても、しばらくすると消えてしまうこともある(これを前駆陣痛と言う)。

● 破水(はすい)

子宮の中の圧力が高まり、胎児を包んでいる羊膜が破けて、羊水が流れ出すこと。お産が始まってから破水することが多いが、陣痛が始まる前に破水することもある(前期破水)。どっと流れ出すこともあれば、ちょろちょろと少しずつでることもある。前期破水したときは細菌感染を起こす可能性があるので、病院へすぐ連絡し指示を受ける。入浴、セックスは厳禁。

● 全開大(ぜんかいだい)

子宮口が完全に開いた状態のこと。10センチ開大とも言う。子宮口が開いてから、赤ちゃんは産道を通ってくる。全開大近くになると一般的には分娩室に移動する。赤ちゃんの誕生の先が見えきたときだが、産婦には一番つらいとき。

● 呼吸法(こきゅうほう)

お産の時にする呼吸のこと。呼吸法というのはお産の方法にかかわらず、意識して呼吸することを言う。お産に特に決められた呼吸法はないが、ラマーズ法やソフロロジー法など、方法論によって呼吸の仕方が異なる。目的は、陣痛のとき産婦が息を止めると、赤ちゃんに酸素が行きにくくなるので、流れるように呼吸することにある。また、過呼吸になると手足がしびれてくることがあるので、ゆっくりと呼吸し、吐く息を意識する。ポイントはゆったりとした精神状態になるよう心がけること。

● 会陰切開(えいんせっかい)

腟と肛門の間の筋肉のことを会陰という。赤ちゃんが出てくるときに、頭部の力が掛かり、会陰はとても薄くのばされる。無理して急激に力んだり、赤ちゃんの頭が大きいと、会陰は切れ、やぶれてしまい、縫合してもうまくくっかなかったりする事がある。このために、はさみで会陰をあらかじめ切開して、分娩後の縫合がうまくきれいにいくようにすること。初産婦ではほとんど会陰切開を行うことが多いが、赤ちゃんの頭が小さめであれば、切開しなくてすむ(→小さく生んで大きく育てる)。

● 分娩予定日(ぶんべんよていび)

お産の予定日は最終月経の始まった日に280日を加えて計算される。ただしこの計算法は月経が28日周期できちんと来ているヒトにしか当てはまらない。従って実際は予定日の前後約2週間ほどの幅があると考えられている。現在では超音波断層検査によって、正確な妊娠週数を推定し、予定日を修正する方法がとられている。正確な予定日は、妊娠10週前後に胎児の頭からお尻までの長さを計って決める。

● 自然分娩(しぜんぶんべん)

自然分娩とは一般的には、帝王切開、陣痛誘発、吸引、鉗子分娩以外のものをさすが、医師の中には陣痛促進剤を使ったり、そのほかの医療処置が含まれていても自然分娩と呼ぶことがある。必要以上の医療的処置をしないお産のことを「自然なお産」と表現することもあるが、その判断は医師に考え方によって異なる。

● 誘発分娩・誘導分娩(ゆうはつぶんべん・ゆうどうぶんべん)

陣痛を薬剤や器具で起こすこと。多くは陣痛誘発剤(子宮収縮ホルモン剤やプロスタグランディン製剤)を用いるが、ダイラパンと言って、水分を含むと膨張し子宮を人工的に開く器具を使うこともある。陣痛誘発では、極めてまれに子宮破裂によって母児ともに死亡して例もあるので、リスクについては主治医に納得行くまで十分な説明を受けること。

● 吸引分娩(きゅういんぶんべん)

あかちゃんがそこまで降りてきているのに、最後になかなか出ないときに、吸引機を使って、赤ちゃんを引き出すこと。腟内にお椀のようなカップを入れて、その先にホースがついていて、それが掃除機のような器械に接続されている。カップを赤ちゃんの頭に吸い付かせて陣痛にあわせて引っ張る。

● 導尿(どうにょう)

赤ちゃんが出るときに膀胱にたくさん尿がたまっていると出にくいと言う理由から分娩台の上で導尿が行われる。分娩台に上がる前にトイレに行っておくこと。

● 陣痛室(じんつうしつ)

お産が始まってから、入院して赤ちゃんが産まれるまでに過ごす部屋。お産は分娩室で行われるので、分娩室に入室するまでの陣痛期を過ごす部屋。当院では分娩室の隣にある。入院すると、子宮口が全開大近くになるまで陣痛室で過ごし、お産は分娩室に移動する。さらに産後2時間ぐらいは、分娩室で出血など産後の異常がないことを確認して、帰室する。

● 産道(さんどう)

お産の時に赤ちゃんが通ってくる道。子宮下部、子宮頸管、腟、外陰部までを言う。これらの筋肉の道を軟産道、その外部にある骨盤の出口を骨産道という。子宮頸管が硬く、子宮が開きにくい場合や会陰部が伸びにくい場合は、お産が長引くことがあるので、軟産道を軟らかくしておく(体操、マッサージ、マイリス腟座薬等で)。人間の場合、骨産道は湾曲しているので、赤ちゃんは簡単には通り抜けにくい。骨産道の広さと形が赤ちゃんの頭に対して小さい場合には、児頭骨盤不均衡と言って、分娩が困難となり帝王切開になる事がある。

● 子宮収縮剤(しきゅうしゅうしゅくざい)

出産後、赤ちゃんが出ると子宮は急激に収縮して、胎盤のはげた面からの出血は次第に止まっていくが、ヒトによって子宮が収縮せずに出血が続いてしまう場合がある。出血がおおければ、輸血が必要になることもある。そうしたケースをなくすために、出生後すぐに赤ちゃんに乳首を吸わせたり、アイスノンを子宮のまうえに乗せて収縮させる。産後すぐに子宮収縮剤を打つ事もある。

● NST(ノンストレステスト)

出産を間近に控えた頃、おなかの中の赤ちゃんが元気かどうかをチェックするために行うテストのこと。陣痛が始まる前、子宮の収縮のない状態で、おなかにベルトを巻いて、約40分ほど計る。特に出産予定日を越えたような場合や、高血圧、妊娠中毒症、胎児発育遅延などリスクの高い妊娠ではさらに重要。この検査では、胎児の心拍数の変化を見ることで、元気さがチェックできる。

● NICU(新生児集中医療室)

赤ちゃんが未熟児だったり何らかの異常があった場合に、高度な医療の中で治療を受けられる施設。NICUは厳重に管理され、赤ちゃんだけの入院となる。NICUのある病院は限られているために赤ちゃんだけ転送される。熊本県では、熊本市立熊本市民病院だけにNICUがあり、県内全域から赤ちゃんが搬送される。

● IUGR(子宮内胎児発育遅延)

胎児の発育が、妊娠周数に比べて、大変遅れている状態。多くの場合、超音波検査によって診断される。分娩時に胎児仮死に陥りやすいことがある。

● 過期妊娠(かきにんしん)

妊娠42週以降の妊娠を過期妊娠という。予定日を2週間以上経過すると、胎盤の機能が落ちることがあり、胎児に影響を及ぼすことがある。正確な妊娠週数で過期妊娠となるのは約2%ほど。

● 胎児胎盤機能不全(たいじたいばんきのうふぜん)

胎盤の機能が衰えること。出産予定日を過ぎると、胎盤の機能が落ちることがあり、胎児に酸素や栄養が行きにくくなるために胎児に影響が出ることがある。陣痛が発来したときに子宮の収縮によって、さらに胎盤機能が悪くなることがある。予定日を過ぎると、胎児胎盤機能検査を行う。

● 妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)

妊娠によって高血圧、むくみ、蛋白尿の症状が病的に出たもの。むくみ、蛋白尿の軽い症状は、妊婦によく見られるが、それとは別に高血圧(140/90mmHg以上)が出た場合には妊娠高血圧という。160/110mmHG以上の高血圧では、母児ともに危険な状態となる。

 

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