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切らずに治す子宮筋腫

-子宮筋腫の逃げ込み療法について-

 子宮は、赤ちゃんを育むために重要な役割をはたす大切な臓器です。鶏の卵ほどの大きさで、平滑筋という筋肉でできています。この子宮の平滑筋の中に、こぶのような良性の固まりができると、これを子宮筋腫と呼んでいます。

 子宮筋腫の症状で最も多いのは、月経の量が増えることです(過多月経)。過多月経が続けば貧血になります。最近めまいがする、とか階段の上り下りで動悸がするときは要注意です。その他の症状としては、下腹痛、腰痛や筋腫が膀胱を圧迫して起こる頻尿、直腸を圧迫して起こる、便秘などがあります。

 子宮筋腫自身は周りの筋肉とは性質が違うために、周りの筋肉に締め付けられるような形で発育していきます。この球形の筋腫が周りの筋肉から締め付けられて場所を移動するために、発育する場所も子宮の様々なところです。その中で筋腫が筋肉の中に埋まっているようなものを筋層内筋腫、子宮の筋肉の外側に突きだしているものを漿膜下筋腫、内側の子宮内膜に突きだしているものを粘膜下筋腫と呼んでいます。

 子宮筋腫は、卵巣から出るエストロゲンというホルモンによって大きくなることが分かっています。月経が止まってしまった閉経後のご婦人では、このエストロゲンがなくなっているために、子宮筋腫がだんだん小さくなっていくことがしばしば観察されます。この事を応用して、閉経が間近かなご婦人の場合には人工的に薬剤によって月経を止め、卵巣からのエストロゲンを出なくしてしまうことができます。副作用として骨粗鬆症の起こる可能性が理論的にはありますので、6ヶ月しか継続はできないのですが、薬剤投与後に自然に閉経してしまえば、子宮筋腫での手術をせずにすみます。こうして閉経に逃げ込むことができるので、この治療を逃げ込み療法と呼んでいます。

 うしじまクリニックでは7例の逃げ込み療法を施行して6例で成功しています。この治療でうまくいくためには①年齢が45才以上で、①卵巣刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の値が25mIU/ml以上に上昇。この二つの条件を満たしている症例でうまくいくようです。

筋腫で手術を避けたい方は、是非一度後ご相談ください。

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