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閉経前後の不眠、うつ状態や性交痛に著効を示すホルモン補充療法

 日本人女性の平均的な閉経年齢は50.5才です。この閉経前後の5年間を更年期と呼びます。更年期になると今まで卵巣から分泌されていた女性ホルモンが減少するために、いろいろな障害-いわゆる更年期障害-を起こすことがあります。

 卵巣から分泌されるホルモンのなかでも、エストロゲンと言うホルモンが減少することによって起こる不眠は、眠たいのに寝ることができないもので大変つらいものです。さらに、性交渉時の分泌物が減少し痛みを伴うことになり、性交渉そのものが苦痛になることもしばしばです。

 それに比較すると、男性は70才代までは生殖能力があり、性交能力も保てることが多いので、今まではうまく行っていたコミュニケーションンが難しくなることがあります。男性は女性の体の変化について何も分かっていないことが多いので、苦痛を伴っていることさえ認識できないことも多いようです。

 このエストロゲンを補うホルモン補充療法で不眠も性交痛も劇的に回復することができます。

 また、エストロゲンというホルモンは精神・心理活動にも大きな影響を及ぼすことが分かっており、マタニティブルーなどのようなエストロゲンの急激な低下が精神的にうつ状態を起こすことがあります。今までは積極的であったのに閉経前後を境に「最近何もする気がしないない。」「外出したくない。」とか、「友達と会いたくない。」理由もなく寂しく、沈み込むなどと言うことがないでしょうか。

 これにくわえて、ほてり、イライラ、冷え性などの身体症状を伴う時には、エストロゲンを補うホルモン補充療法とともに抗うつ剤を併用することも勧めています。身体症状がないときには抗うつ剤だけの投与がよいでしょう。

 最後にホルモン補充療法では、エストロゲンだけの補充では副作用が起こることが分かっていますので、プロゲステロンの併用が大原則です。ホルモン補充療法で閉経後のQOL(生活の質)を改善しましょう。

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