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見直しが望ましい保健福祉センターのクラミジア検査

熊本市の各保健福祉センターでは匿名、無料での性感染症検査を実施し若い人たちの性感染症(STD)の拡がりを予防しようとしています。しかしながらクラミジアそのものを調べる抗原検査ではなくて、クラミジアに感染したときに体の中で産生されるクラミジア抗体検査を施行しています。実はこの検査はすでに過去のものなっており現在では当院の妊婦健診ではクラミジア抗原検査を施行しています。

-クラミジア感染症とは何ですか?

 クラミジアという細菌が性行為で感染することにより起こる感染症です。女性の場合にはおりものが多くなってきたときには必ず検査を受けるべきです。なぜならばこのクラミジアが不妊症の原因となるからです。男性の場合には何ら症状がないこともあります。妊婦健診でも5%程度にクラミジアに感染している妊婦が発見されます。

-保健福祉センターで検査ができると聞きましたが?

 保健福祉センターでの検査は採血により血中のクラミジアの抗体を測る検査です。抗体とはクラミジアに感染したときに体の中に産生されるものです。女性の場合の子宮頚管炎や男性の尿道炎では抗体価は必ずしも上昇せず、診断的意義は低いと思われます。しかし明らかな臨床症状を伴うような骨盤内腹膜炎や男性の前立腺炎では抗体価の上昇が見られます。

-それでは正しい検査を受けるためにはどうしたらよ良いのでょうか?

 クラミジアの感染症ではあくまでクラミジアそのものを検出できる検査法が望ましいので、クラミジア抗原検査(TMA法・PCR法・LCR法)が最も良い検査法となります。一方、抗クラミジアIgA抗体は病気の活動期の指標になると言う誤った考えがみられ、これを治療の根拠にしている医療機関が今でもあります。抗IgA抗体価は抗IgG抗体価と同様に初感染後2~3ヶ月後に陽性となり、長く持続することがしられています。したがって抗体価のみの変化で診断・治療はできません。

-最後にクラミジアの治療を受けるときに注意すべき点は何でしょうか?

 治療後3~4週間後に抗原検査を施行して完治していることを確かめることが大切です。もちろん効果判定に抗体検査は意味がありません。また、重要なことはたとえパートナーにクラミジア検査で異常がなくてもパートナーも薬剤の服用は必ず必要です。そして治療中のSEXは避け完治するまでがまんしましょう。

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