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減少する産婦人科医と子宮頸癌ワクチン

最近は産婦人科医が少なくなり、都会でもお産のできる病院や診療所が不足してきています。また熊本でもある大きな病院での手術を待っている患者さんは140人にのぼるとのことです。婦人科手術の中でも子宮頸癌の手術は難しく、今後は婦人科医が少なくなるかもしれませんから子宮頸癌の予防は大変重要です。

 

-子宮頸癌の原因は何ですか?

 日本で1年間に3000人が命を落としている子宮頸癌はヒトパピローマウイルス(乳頭腫ウイルス:HPV)というイボを作るウイルスが原因です。子宮頚部に感染し10~20年たって子宮頸癌を起こすことが分かっています。いわゆる性感染症(性病)の一つですが、性交経験者は誰でもこのウイルスに感染することがあり、性的に不特定多数の性交相手がいるから子宮頸癌になると言うわけではありません。感染してもほとんどの例では自然に消失してしまいます。感染が持続した一部のヒト達だけに子宮頸癌が発症することがあるわけです。

現在ではこのHPVの感染の有無とウイルスの型まで調べることが可能です。

 

-子宮頸癌にならないためにはどうしたらよいのですか?

 性感染症予防のためのコンドームの使用は有効かもしれませんが、最近の風潮を見ればあまり現実的ではありません。子宮頸癌を起こすHPVの16型と18型は高率に癌を起こしやすいことが分かっています。これらのウイルスに対するワクチンが承認されました。年内にも販売が始まるようです。

 

-ワクチンはいつ接種すれば効果があるのでしょうか?その費用は

 性交経験のない年齢、12歳前後での1クール3回の接種が勧められています。ワクチン接種から6~7年の効果が確認されています。費用は数万円前後と言われています。今後産婦人科医が少なくなっていく可能性があり、将来的には子宮頸癌手術がどこでもうけられる今のような状況でなくなることが予想されます。このような予防のワクチンを是非接種をすべきでしょう。

 

-性交渉経験者でHPV未感染のヒトには効果はあるのでしょうか?

 詳しいことは分かっていませんが理論的にはHPV感染の証明できないヒトに接種すれば効果を得られるのではないかと考えられます。

 

-最後に

 先進諸国ではこのワクチンは公費負担で接種しているところが多いのに比較して、日本では自己負担になっています。少子化を問題視している割には、日本の婦女子には冷たい政策と思えます。

行政当局の再考をお願いしたいところです。

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