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うつ病と妊娠

-妊娠を希望している女性はパキシルを避けましょう。-

 先日の読売新聞によると、うつ病の患者さんは全国で100万人をも超えると言われています。うつは病気ではなくて心が風邪を引いたようなものだとの考えにより、うつ病であることを隠したりする傾向がなくなったことやパキシルの宣伝効果で患者数が急激に増加したのかもしれません。

 治療薬として代表的な抗うつ薬であるSSRIのパキシルは、一般のヒトでもよくご存じの薬剤です。パキシルの売り上げは、膨大な伸びを示しており妊娠可能な年齢の女性にもかなりの数の投与がされていることが予測されます。

 ただし、このパキシルには心臓に奇形を発生させる可能性が高いことが分かってきました。アメリカ食品衛生局(FAD)の非公表のデータでは、スウェーデンでは心奇形のリスクが約2倍であり、米国保険請求データベースの研究では心奇形に関して1.5倍、先天奇形に関して薬1.8倍のリスクがあるとしています。

 以下は薬害オンブズパースン会議から長妻昭厚生労働大臣とパキシルを製造販売しているグラクソ・スミスクライン株式会社に対しての要望書です。うつ病での治療を受けている妊娠希望の方はよく読んで今後の治療法について主治医と相談してください。

  1. 妊娠中の本剤を投与された女性が出産した新生児は、先天異常、特に心血管系の異常(主に心室中隔欠損及び心房中隔欠損)のリスク、新生児薬物離脱症候群のリスク、遷延性肺高血圧症のリスクが高まる。
     
  2. 本罪を投与中に患者が妊娠した場合には、投与継続が治療上妥当であると明らかに判断される場合以外は、投与を中止するか代替治療を実施すること。
     
  3. 妊娠可能な患者または妊婦には、原則として投与すべきではなく、代替治療を用い得ない場合に限り投与すること。
     
  4. また、本剤を投与する場合には、本剤の依存性と新生児に対する先天異常のリスクをについて十分な説明を行い、同意を得ること。

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