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妊婦はリステリア菌食中毒に気をつけて

 ■ 妊娠中に罹るととてもひどい症状を起こし死亡することさえある食中毒

  妊娠中のお母さんは妊娠していないときに比べて、より病気に罹りやすい状態にあります。妊娠していないときには、ひどい症状が出ないことが多いのに、妊娠 中に罹ると時には死亡してしまうことがあり様な病気があります。妊娠のホルモンの変化は、お母さんの免疫機能の低下を起こし食品による感染症に罹りやすく する可能性があります。また、胎児は食品による感染症の影響を受けやすいのです。


 ■ リスクの高い食品(ナチュラルチーズ、スモークサーモンやパテなど)は避けましょう。

  リステリア菌は、土の中や河川などに広く分布している細菌で、ほ乳類のほかに鳥類や魚類など様々な種類の生物に感染しています。特に注意しなくてはならな いことは、リステリア菌は多くの細菌が増殖できない環境(0℃という低温や高い塩分濃度)でも増殖が可能で、特に酸に強いと言う事です。つまり、長期冷蔵 保存が可能な食品には、リステリア菌による食中毒を起こす可能性が高くなると言うことです。


 ■ リステリア菌に感染したときは、どんな症状ですか?

  リステリア菌による食中毒に罹ると、発熱や頭痛と言ったインフルエンザのような症状が出て、重症になると髄膜炎や敗血症などになる事があり、この場合の死 亡率は20~30%と非常に高いものです。また、流産や早産の引き金になることもあります。2008年にはカナダでの集団感染があり56人が発症し28人 が死亡しています。日本では2001年に北海道でナチュラルチーズによる集団感染が確認されています。厚労省は、妊婦に対して冷蔵保存しているから大丈夫 と冷蔵庫を過信せず、食べる前には充分加熱することと、ナチュラルチーズや生ハム、スモークサーモン、肉や魚のパテを避けることを呼びかけています。


 ■ 原因が明らかになればペニシリン系抗生剤が効果的です。

 妊娠中にリステリア菌に感染した場合には早期の段階で抗生物質を投与すれば、胎児への感染を防ぐことができます。


 ■ リステリア菌に感染しやすい食品に気をつけること

肉類はよく焼く。生野菜はしっかり水洗い。生の牛乳、生の牛乳で作った食品を避ける。ソフトチーズは避ける(プロセスチーズ、クリームチーズ、カッテイジチーズやヨーグルトは避ける必要はありません)。ゴーダチーズは避けるのが望ましいでしょう。

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