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教えてDr.

お酒とタバコの赤ちゃんに対する影響

-妊婦さんはお酒もタバコもきっぱりやめましょう。
だんな様の協力が絶対に必要です。
この際、だんな様もきっぱりとやめましょう。-

  妊娠中にお母さんがアルコールを飲むことによって起こる赤ちゃんの障害を「胎児アルコール症候群」と呼びます。赤ちゃんが子宮の中で発育するためにの栄養はお母さんから絶えず送られてきています。お母さんがお酒を飲むと、それが赤ちゃんに送られ、赤ちゃんも子宮の中で酔っ払う事になります。お母さんにはアルコールを代謝する酵素がありますが赤ちゃんにはそれがないために、たとえ少量のアルコールでも直接赤ちゃんを暴露される事になります。赤ちゃんの脳細胞がたくさん障害を受けると「胎児アルコール症候群」になる訳です。

  どういう障害を起こすかというと。子宮の中での発育が悪く、皮膚や関節の異常、近視や斜視などの視力の障害、聴覚異常、心臓の奇形、さらに知能発達の異常として注意力の持続ができなかったり、記憶力が悪くて気持ちの不安定、じっとしている事ができなかったりします。

  このように妊娠中にアルコールを取ることはたとえ少量でも赤ちゃんの発育には大きな危険となります。

  一時期、女性の喫煙率は低かったのですが、最近では仕事をもった女性の増加のためか喫煙率は増加傾向にあります。妊娠中の喫煙は一酸化炭素やニコチンによる赤ちゃんの低酸素状態により周産期死亡、前置胎盤、常位胎盤早期剥離、前期破水などが妊婦さんの喫煙量に比例して高くなる傾向にあります。タバコをすわない妊婦さんに比べて1.5倍ほど早産しやすいと言われていますが、タバコをすうという生活環境にも原因がありそうです。さらに赤ちゃんの発育障害は明らかで、分娩時の体重で約200g程度軽い事が報告されています。このような子宮内胎児発育遅延の赤ちゃんでは、分娩時に胎児仮死になることがあります。また、複流煙の問題も含めてだんなさんもこの際、禁煙しましょう。タバコをのむお母さんでは、母乳中にニコチンが分泌され、赤ちゃんがニコチン中毒になったり、乳児の誤嚥事故での1位はタバコである事からも妊娠、授乳、育児での禁煙は極めて重要です。

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