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乳癌健診の指針が変わります。

-マンモグラフィー(乳房X線検査)の全面導入が始まります。-

  2004年4月から乳癌検診の指針が大きく変わり、来年度から30歳代の検診を廃止し、40歳以上に隔年、視触診とマンモグラフィーを全面導入することになりました。

  国際基準は50歳以上に乳癌検診を勧めていますが、日本の乳癌罹患のピークが40歳代にあるため10歳ほど若く乳癌検診を始める事になりそうです。また、数年前より癌検診の財源は実施自治体の負担になりましたから、受信者が増えれば増えるほど自治体は一層の財源不足に悩まされるようになります。

  日本では宮城県で乳癌検診に視触診とマンモグラフィーを併用した検診を行ったところ、視触診のみのときに比べて乳癌の発見率が上昇しました。欧米諸国のほとんどがマンモグラフィーを使った乳癌検診を実施しています。これをふまえて1998年には厚生省から「視触診のみの乳癌検診は効果が十分でない」と言う答申を出ていたのですが、やっと来年度ぐらいから実施されそうです。

  しかしながら、マンモグラフィーと言うレントゲンの検査機械が極めて高額であるために、全国に2830台しかなく、そのなかでも日本医学放射線学会の基準に達しているのは、半数の1500台前後しかありません。施設や画像の質に関してはまだ精度管理ができていないのが事実です。

  総合的に判断すると、撮影技師や読影医、そして施設・画像全てが視覚認定を得ている施設は、さらに限られているようです。新しい乳癌検診のシステムつくりがやっと動き始めたばかりです。40歳代の婦人は今後の乳癌検診の動静についてよく気を配っておきましょう。

  さて、うしじまクリニックでは来年度も視触診と超音波検査を併用した乳癌検診を続けていく予定です。マンモグラフィーがお近くの病院や検診施設になくて乳癌検診をご希望の方は御相談ください。

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