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パートナーの検査結果が陰性でも性感染症の治療はカップルでいっしょにしましょう。

  近年、先進諸国でHIV感染者やエイズ患者の減少しているのに比べ、日本だけが増加の一途です。日本の若い人たちの性感染症に対する意識がきわめて低く、自分たちには関係のない疾患であると誤解をしているからです。

  エイズが蔓延していることを示すショッキングな事実が次々と明らかになってきています。たとえば、妊婦健診で勧められたエイズ検査を断った妊婦が出産後の赤ちゃんに皮膚病が続くために、精査したところエイズ感染による症状であったことが明らかとなりました。さらに、この母親、父親ともにエイズに感染していた例があります。この例などは妊婦健診でのエイズ検査さえ受けていれば赤ちゃんへの感染は防げたはずです。また、現在、熊本県ではで最寄りの保健福祉センターで、匿名でエイズ検査を受けることが可能ですが、20歳代の男性2人がノーマルな性交渉によるエイズ感染と診断されています。これらのことは、身近にエイズの脅威があることを強く示唆しています。

  エイズに感染しやすいのは性感染症にかかっている人たちです。炎症があると局所にリンパ球が多数集まってきます。エイズのウイルスはリンパ球に感染しますから、淋病やクラミジアにかかっている人ほどエイズに感染しやすいのです。つまり、淋病やクラミジアの患者を減少させることが、エイズの感染者を少なくすることにつながる訳です。最近、このクラミジアに対する治療薬で1回の服用で治癒する薬剤が保険適応になりました。これは妊婦さんでも服用可能です。

  また、性感染症の診断を受けた時には、たとえパートナーの検査の結果が陰性であっても、両方ともに治療を受けておくことを強くおすすめします。

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