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妊婦健診での感染症の検査について

-医者まかせにしないで自分で検査を選びましょう。-

  妊娠中に必要な最低限の検査(貧血と梅毒、B型肝炎)が、各自治体で無料や軽費で受けられるようになっています(表1)が、それだけで安心してはいけません。ほかにも忘れてはならない大事な検査があります。胎児へ感染するような病原体(表2)を母体が持っていないかどうかの検査も大変重要です。

  自治体が進める妊婦健診で受けられる検査は、必要最小限にしかすぎません。妊娠中に分かっていた方がよい感染症をすべて網羅することはできません。そこで妊婦さん自身が自分で検査を選択して出産に備えることが大切です。妊娠中に感染が分かれば、治療することによって胎児への感染予防ができますので、決して医者まかせではなく、産科主治医へどんな検査がなぜ必要か、具体的に説明してもらった上で検査してもらいましょう。

  ただし、妊娠、出産にかかる費用は異常がない限り、健康保険の適応ではありませんので自費検査となります。まして自覚症状のない感染症については、検査を受けようという気持ちにはならないかもしれません。しかし、感染症には症状のない時期(潜伏期)があり、特に性感染症は自覚症状がないうちに広がっていきます。気がついたときには、自分だけでなく胎児やパートナーにも感染していると言うことを避けるために、早期発見の検査(スクリーニング)を積極的に受けましょう。また、感染予防のためにも妊娠中こそコンドームの使用が大事です。

  また、助産院や自宅での出産を計画している人こそ、せっかく元気に生まれた赤ちゃんの急変(GBS感染など)がないように、産婦人科専門医の検査を受けておくことが大切です。

  なお、HIV抗体検査は各自治体の保健所で、無料、匿名で受け付けていますので、費用やプライバシーの面でも安心です。そのほかの検査も併せて行っているところもありますので、お住まいの地域の保健センター、保健所に問い合わせてみてください。

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