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生まれた赤ちゃんの血液型が正確に判定できる時期は4才です。

生まれたばかりの赤ちゃんの血液型は間違って判定されることがあります。

 ABO式の血液型は赤血球側(おもて試験)と血漿側(うら試験)の双方から判定し、両方の検査結果を照合して決定する事になっています。

 赤血球側の反応は赤血球膜上のA抗原、B抗原の強さに関係していますが、赤ちゃんの抗原の強さは成人の1/3程度で、2~4才になって成人並みとなると言われています。また、血漿側の反応は血漿中の抗A抗体、抗B抗体の量に関係していますが、赤ちゃんの血漿中には母親由来の抗体が存在しているために、3~6ヶ月から児自身の抗体が産生されはじめ、生後1年でほぼすべての赤ちゃんに抗体が産生されると言われています。

赤ちゃんの正確な血液型は4才を過ぎた頃に判定しましょう。

 血液型の検査時期については、生後6ヶ月は抗体が産生され始める時期、1才はすべての児に抗体が産生されている時期、3才は赤血球膜状にのA抗原、B抗原の強さが成人と同じになる時期ですので、正確な血液型の判定を求めるのであれば4才以上、できれば小学生になるくらいに検査を受けると良いでしょう。

 赤ちゃんの時に検査した血液型が、大人になると変わると言われるのは新生児の時に赤血球側の検査だけ行われた場合に、赤血球膜状のA抗原、B抗原が弱いために、A型やB型がO型と間違って判定されることがあるからです。また、母親の血液型と児の血液型が同じ場合には間違っていると言われるのは、血漿側の検査を行った場合に新生児の場合は母体由来の抗体が反応して母親と同じ血液型と判定してしまうことがあるためです。

 あかちゃんの血液型が正確に判定できるのは4才以上になってからです。病気で小児科にかかる事があれば、そのときに血液型まで調べてもらうと正しい血液型の判定ができるでしょう。

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