市販妊娠反応が陽性だったときに知っておくべき事
-妊娠反応とは何ですか?
受精した卵が卵管を通って子宮内膜に着床すると、胎盤の元になる絨毛という組織ができます。この絨毛が作り出すホルモンをヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)と呼びます。妊娠の成立によってこのホルモンが尿中にも検出されたときには、妊娠していることが考えられます。
-妊娠反応が陽性であれば、子宮のなかの妊娠に間違いないのですか?
妊娠反応が陽性だけでは、子宮のなかの妊娠かどうかは分かりません。妊娠反応陽性で、経腟超音波検査で子宮のなかにGS(胎嚢)の確認ができ、さらにその中に卵黄嚢と言う丸いワッカが確認できたときには、子宮内の正常妊娠の確認になります。
-超音波検査で胎嚢が確認できないときには、何を考えるべきですか?
以下の4つのこと考えておくべきです。
これらの疾患を除外するために、1週間後に再来してもらい、超音波検査で胎嚢(GS)が確認できれば正常妊娠となります。
-妊娠反応が陽性だったので、1週間後に産婦人科を受診したら妊娠していないと言われました。検査は間違いなく陽性だったっと思います。なぜですか?
市販の妊娠反応検査薬では、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の50mIUを検出することができます。しかしながら、この検査で陽性所見が出ても分娩までに至るのは30%です。なんと70%近くが流産しています。このうち臨床的に流産症状を伴うのは10%程度であり、残りの60%は自分で気がつかなかったり、何症状もないままに流産しています。これらの流産を妊娠反応(化学反応)でしか妊娠が確認できなかったので、化学的妊娠とか、妊娠の臨床症状を伴わないので前臨床的妊娠と呼びます。つまり、妊娠反応が陽性に出ても、1週間後の再検査では陰性化している事はよくある事なのです。
-結論です。
市販の妊娠反応が陽性だったら必ず産婦人科専門医を受診して正常妊娠であることを確認しましょう。