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教えてDr.を更新しました。日本産婦人学会は新たな妊娠中の体重増加の目安を変更しました。

2021年05月17日

2021年3月、日本産婦人学会は新たな妊娠中の体重増加の目安を変更しました。

妊娠中の体重管理について

 

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妊娠中の体重測定が大切な理由

妊婦健診では、妊婦さんの健康状態と赤ちゃんの発育状態を確認するために体重測定をします。医師や助産師、看護師が正しい判断をできるように、妊娠前の体重や妊婦健診当日の体重の数値を、間違わないようにしましょう。
体重測定をすることで、妊婦さんは体重制限を強いられているように感じるかもしれませんが、3つの理由から体重管理はとても大切です。

 ① 妊婦さんの体格や体重増加量によって合併症が起こる可能性や危険性が高くなる
  妊娠中の体重が増えすぎても、増えなさすぎても、母体と赤ちゃんの健康状態に影響します。妊婦さんの体格や体重増加量によって合併症の起こる可能性や危険性が高くなります。
  妊娠前のBMIが18.5未満やせに属する場合は、胎児発育不全(FGR:fetal growth restriction)や低出生体重児(出生時の体重2,500g未満)、切迫早産および早産の起こる可能性が高くなります。
  妊娠前のBMIが25.0以上肥満に属する場合は、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、巨大児、児の神経管閉鎖障害が起こる可能性が高くなります。 妊娠中の体重増加が不十分な場合は、胎児発育不全(FGR:fetal growth restriction)や低出生体重児 (出生時の体重2,500g未満)の可能性が高くなります。 妊娠中の体重増加が著しい場合は、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を合併する確率が高くなります。また、陣痛が弱いために出産が長時間かかったり、出産時に出血多量となる可能性があります。

② 妊娠中の栄養状態が赤ちゃんの健康状態に影響する
  おなかの中にいる赤ちゃんが低栄養状態にさらされると、赤ちゃんの発育状態や将来的に生活習慣病を発症する確率が高くなることがわかっています。

③ 妊娠中の体重増加量は母乳の脂肪濃度に影響する
  妊娠中の体重増加量は、母乳中の脂肪濃度に影響することがわかっています。母乳中の脂肪は、赤ちゃんの摂取カロリー(エネルギー)や必須脂肪酸(DHAやEPAなど)の供給源として重要です。産後に母乳で育てる予定であれば、妊娠中の体重増加を極端に制限することは好ましくありません。