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教えてDr.

やむを得ず投与する場合でも授乳婦には避けるべき解熱鎮痛薬について-アスピリンは、避けましょう。-

2021年12月07日

育児で疲れ切っているお産後のお母さんは急性乳腺炎や尿路感染症などで、高熱を出すことがあります。そんな時に、安心して服用できる解熱鎮痛剤を知っておきましょう。

アセトアミノフェン(カロナール)は妊娠中も安全に使えるので、妊娠~授乳中を通して選ばれることが最も多い解熱鎮痛薬です。しかし、イブプロフェン(ブルフェン)も「Medications and Mothers’ Milk 17th ed」ではアセトアミノフェンと同じと評価されているほか、ロキソプロフェン(ロキソニン)もヒトでは母乳中へほとんど移行しないことが確認されており、ともに国立成育医療研究センターの「授乳中に安全に使用できると考えられる薬」のリストにも掲載されています。

一方、アスピリンはこのリストには掲載されていません。これには、治療用量(2,600mg/日)で服用していた母親の母乳を飲んだ乳児に出血傾向が現われたという報告が関係していると考えられます。

アセトアミノフェン(カロナール)は非ステロイド系抗炎症薬(ブルフェン・ロキソニン)と比べて解熱・鎮痛効果は弱いため、患者の状況によっては非ステロイド系抗炎症薬を選択肢として考える必要があります。

各薬剤の添付文書上の記載は下記の通りです。

イブプロフェンは授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[理由:母乳中へ移行するものが認められている。]

アセトアミノフェンは:授乳婦に関する記載はありません。

ロキソプロフェン:授乳中の婦人に投与することを避け、やむをえず投与する場合には授乳を中止させること。[理由:動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]

 

【参考】Am J Obstet Gynecol.198(2):(2008)・医療薬学.40(3):186-92,(2014)・国立成育医療研究センター 「授乳中に安全に使用できると考えられる薬」・Clin Pediatr
(Phila).20(1):(1981)・カロナール錠 インタビューフォーム