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陣痛促進剤を使用したために、子宮が破裂して母児ともに死亡したり、赤ちゃんは助かったものの、脳性マヒで不自由な一生を送らなければならなくなった事故が日本全国で報告されています。これは妊婦さんによって陣痛促進剤に対する薬剤感受性が大きく異なるため過強陣痛を起こす事が原因です。
  過去5年間に当クリニックで陣痛促進剤を使用した分娩は3例でした。ほとんどのお産が陣痛促進剤を使用しなくてもうまく行った事実をかえりみると、陣痛促進剤の使用は原則的には必要ないと考えています。
早産してしまった赤ちゃんは、呼吸がうまくできないため将来的に障害を持ったりする事があります。このために当クリニックでは母体の子宮のなかに赤ちゃんがいる状態で、赤ちゃん専門の医療機関へ搬送する母体搬送を原則としています。
母体搬送のほうが赤ちゃんにとって良い結果をもたらす事が多いのです。
熊本県では、赤ちゃん専門の医療機関は熊本市立熊本市民病院にあるNICU(新生児集中医療施設)の60ベットだけです。しかも未熟児用の人工呼吸器は15台しかありません。したがって、まさに早産しようとしている未熟児受け入れてくれるベットに空きがない時には、県外の病院まで搬送せざるを得ない事があります。そうならないためにも早産予防が大事です。
緊急性の高いハイリスクのお産には、早目に高次医療機関への紹介を原則としています。早め早めの処置で助かった赤ちゃんが多数います。

おりものが増えてきたときには必ず医師にお知らせください。
子宮の収縮もないのに突然破水して、早産する事があります。原因は膣の中にたくさんの細菌がいるために、赤ちゃんの入っている卵膜に炎症を起こし卵膜が破れてしまうのです。おりものが多くなった時には必ず医師にご相談ください。
膣洗浄と薬剤による治療するだけで、早産の予防ができます。
妊娠中の必要以上の体重増加は妊娠・分娩に対して悪影響の原因です。産道の周りの脂肪が増えてくると産道は狭くなりますから、分娩にかかる時間も長くなります。また、異常な体重増加は妊娠中毒症の原因となり、胎盤が突然剥離して子宮の中の赤ちゃんだけでなくお母さんも死亡する事があります。安産を望むならば、指導された体重増加にとどめましょう
 お産が近づくと軟産道(子宮頸管)をやわらかくする物質を赤ちゃんとお母さん自身が作り出すようになります。
この生理的な子宮頚管熟化物質を製剤化し膣座薬にしたものがあり、これを妊娠37週から使用することによってお産のときの軟産道の抵抗を減らし分娩を容易にできる事があります。

麻酔指導医のライセンス、術後の突然死(肺塞栓症)の予防
− AVインパルスポンプと低分子ヘパリン
時として、帝王切開が必要になる時があります。こんなときは、当クリニックでは麻酔科の専門医(指導医)に麻酔をお願いしています。麻酔事故で死亡のほとんどが麻酔医以外の医師の麻酔によるものです。
 術後の突然死は肺梗塞によるものが多く、病院を含めほとんどの産婦人科では予防措置を取っていません。足の裏に設置する特殊なポンプ(AVインパルスポンプ)や血液の流れをよくする薬剤(低分子ヘパリン)を使用する事によって予防が可能です。さらに、術後は早期離床が大切です。(平成14年6月30日にRKB毎日福岡放送局の「追跡25時  取り残された突然死  妊産婦肺塞栓症」で当院の取り組みが放送されました。)

アイスタット検査
生まれたばかりの赤ちゃんのへその緒から100マイクロリットル(1ccの1/10です)採血してアイスタットというという機械にかけると赤ちゃんの血液ガス分析ができます。赤ちゃんの血液のpHを調べる事で、ほぼリアルタイムで元気さが分かります。
  ※鹿児島県ではこの検査料金は3000円となっていますが、当院では無料でサービスしています。
聴覚異常の赤ちゃんは2000人にひとりほどいることが分かってきました。早期の発見はその後の治療教育に影響します。
当クリニックでは生まれてから6日間のうちにDPOAEと言う簡易な聴覚検査法でスクリーニングしています。
この検査に異常があったからと言って、必ずしも病気でない事もしばしばですので神経質にならないようしましょう。
さらに高度な検査と詳しい専門医をご紹介をいたしますのでご安心ください。
  ※全国的にはこの検査費用は10000円ほどとなっていますが、当院ではサービスとしております。

 ・・・でも、分娩の見物であればお断りしています。
夫立会い分娩を希望される方はいつでもご相談ください。
父親学級などのデューティなどはありませんが、分娩直前の立会い(見物)ではなく陣痛が発来してから、ずっと一緒にいて、励ます事にこそ意味があります。初産婦さんでは平均12時間(長い時は30時間ぐらい)経産婦さんでも8時間ほどかかります。
分娩直前にこられて立ち会うのは原則としてお断りしております。

 GBS(B群溶連菌)感染予防
お母さんの産道にGBSという細菌がいるときには、極めてまれですがこの細菌に感染して、敗血症を起こし、生後24時間以内に死亡する事があります。これを予防するために、妊婦検診でGBSが発見されたお母さんには、経口での抗生剤の投与と分娩時にGBSに特に効果のある抗生物質の点滴を行っています。
当クリニックではこのために開院以来GBSでの敗血症の死亡例はありません。
子宮頸癌は性感染症(ヒトパピローマウイルス)が原因である事が明らかとなっています。感染して10年ほど経ってから発病する事があります。初交年齢が低年齢化し、逆に分娩する年齢が高齢化しているために、妊娠合併子宮頸癌は増加しています。
子宮頸癌があっても、妊娠はそのまま継続できる事もしばしばです。またレーザーメスによる手術は妊娠中でも可能です。
当クリニックでは、妊婦さん全例に子宮頸癌検診を行って早期発見を心がけています。

 お産は安ければよいという感覚は危険です!
安全な妊娠や分娩の管理に利用できる新しい機器や検査方法が日進月歩で発達し臨床に応用されています。
当クリニックでも新しい検査や機器を次々とそろえるよう努力しています。これらの新しい技術により以前では助かる事ができなかった赤ちゃんも救うことができるようになってきています。しかしながら、それらにはコストがかかることも事実です。高いレベルの診療にはコストがかかるのは当然です。どんな産院を選ぶのかこそ自身の価値観の問題です。
よく考えて、後悔することのない良い産院を選びましょう。