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子宮頚管の長さと早産

妊娠22週から37週未満の間にお産になってしまうことを早産と言います。赤ちゃんにとっては肉体的に、お母さんにとっては精神的にも大きなショックを与えます。早産で生まれた赤ちゃんには特別な治療が必要なことが多く治療できる施設が足りないために県外に赤ちゃんだけが搬送されることもしばしばです。遠く離れて治療を受けるわが子と離れている母親の精神的なストレスは多大なものになります。特に生まれて直後の2週間は母児相互の関係をうまく創るために大変重要な時期であり、べつべつに過ごさなければならない状態はできる限り避けるべきです。それでは早産しないためにはどうしたらよいのでしょう?

-早産とはなんですか?その原因は?

 妊娠週数が足りないうちにお産になってしまうことです。妊娠22週以降37週未満でのお産を早産と呼び、子宮頸管が短くなり子宮口が開いてしまったり、細菌感染により破水したりして赤ちゃんが成熟しないうちに生まれることです。

-子宮頚管とは子宮のどこの部分ですか?

 子宮の下3分の1ほどの管状の部分を頸管と呼びます。通常は4cmくらいあり、きっちりと閉じているのが妊娠末期や切迫早産のリスクが高まると短くなり開いてきます。

-早産になるお母さんに何か特徴がありますか?

 多くの研究で妊娠中の子宮頚管の長さが2.5cm以下になって子宮口が開いてくると早産することが分かってきました。また、おりものが多いお母さんでは腟内をきれいにしている乳酸菌が少なかったり、ばい菌が増殖していることがあり破水しやすく早産になりやすいことが分かっています。

-早産で生まれた赤ちゃんはどうなりますか?

 心臓や肺の成熟が未熟なために特別な治療が必要なことが多く、その治療ができる施設も限られていますので、県内での治療が不可能な時には県外への搬送をせざる得ないこがあります。

-早産になりそうな時にその予防法があるのでしょうか?

 腟分泌物検査で早産の原因菌が見つかったり乳酸菌が少ない時には抗生剤を妊娠中期に1週間程度服用してもらうと予防につながります。また妊娠18週頃より経腟超音波検査をすることにより、子宮頸管が短くなっていないかの確認してもらう事が大変大事です。頸管が短くなっている時には入院して安静、子宮収縮抑制剤の投与や子宮頸管をしばる手術をする事があります。

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