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お産前の赤ちゃんの元気さが判定できるAT、NSTは36週から週2回の検査を

-NSTとは何ですか?

 赤ちゃんの胎動に伴う心拍数の変化が、赤ちゃんの“元気さ”の目安となります。NSTは、子宮の緊縮(陣痛)がないとき、つまりストレスがないときの胎児の心拍数の変化を記録する検査です。心拍が20分間に、15拍以上上昇し15秒以上の持続が2回以上認められれば、元気な証拠となります。
 

-何週目から受けられますか?

 妊娠36週頃から始められます。「分娩予定日を過ぎてから1週間に2回のNST検査が望ましい」とも言われていますが、より早めの36週以降に週2回受けるのが最もいいでしょう。回数も、NSTを週に1回よりも2回行ったほうが、死産率が3分の1以下に低下したと報告されています。
 

-ATが今、世界的に関心を集めていると聞きました。

 AT(アドミッションテスト)は分娩が近づいたごく初期段階の産婦に実施される、胎児心拍数モニタリングのことです。“ごく初期”というのは、10分ごとに定期的にくる陣痛のことではなく、それ以前の軽い子宮収縮やちょっとした出血(おしるし)が見られる段階を意味します。もしATで異常が見つかれば、分娩中に胎児仮死(胎児ジストレス)になる可能性が高いということになり、分娩時の監視体制を強化するなど、迅速な対応が可能となります。お腹の中の赤ちゃんの状態を的確に把握するためにも、NSTとATを受けることをお勧めします。

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