-妊娠初期にとるべき大事な栄養素は何ですか?
すべての栄養素をバランスよくとることはもちろん大事です。なかでも葉酸は妊娠する以前から摂取しておくと安心です。妊娠数ヶ月前からの葉酸の摂取は口蓋裂と言う口腔内の形態異常の予防ができます。また原因は分かっていないのですが、日本では近年このような形態異常が増加傾向にありますので、妊娠可能な年齢の女性は、日頃から葉酸を意識して摂取しておく事が必要でしょう。
-葉酸はどんな食物に含まれているのでしょうか?
いわゆる緑黄力野菜(にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など)に豊富に含まれています。妊娠している時にこそ野菜を中心の食生活をおくれば、カロリ-コントロ-ルにもなりますね。
-そのほかに重要な栄養分は何でしょう?
鉄分の摂取も気にかけておきましょう。お産の時に、予想もしないような大量に出血することがあります。弛緩性出血と呼ばれ、どの妊婦さんに起こってもおかしくない病気です。鉄分をしっかりとって貧血をしっかり治していれば問題はないことが多いのですが、時に輸血まで必要になることがあります。妊娠中は日頃から鉄分を十分にとつて、貧血の予防をしておきましょう。
また、最近の研究ではビタミンAを単独で摂取した母親から生まれた子供と鉄と葉酸を摂取した母親から生まれた子供の比較検討で、鉄と葉酸を摂取した母親から生まれた方が知的・運動能力に有意に優れていたことが明らかになりました。
-妊娠中にそのほかに気をつけておくことは何でしょうか?
カロリ-をとりすぎないように注意しましょう。タンパク質を十分にとって低カロリ-を心がけましょう。野菜:魚・肉・炭水化物の割合が3:2:1程度を目標にしてください。炭水化物の過剰摂取は過体重を招き肥満妊婦になってしまいます。肥満妊婦は陣痛が弱く(微弱陣痛)分娩にかかる時間も長くなることが分かっています。安産を目指すならばバランスのとれた食事と適切なカロリ-を心がけましょう。特に夜の8時以降にはのんだり食べたりを控えましょう。過剰な体重増加の原因となります。