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高齢妊娠という選択-いくつまでに生むべきか?

 以前は30才以上での初産を高齢初産と呼んでいましたが、今では35才以上の初産のことを指すようになりました。また、最近の人口動態統計では30才以上の分娩が全体の60%をしめ、40才以上の分娩も全体の2割を占めるようになりました。
 高齢出産は珍しいことではなくなりましたが、いろいろな合併症が起こりやすく厳重な妊娠・分娩・胎児管理が必要なことも事実です。高齢妊娠について考えてみましょう。

-高齢妊娠とは何歳以上を言うのですか?

日本産婦人科学会では、以前は30才以上の初産を高齢初産と呼んでいましたが、現在では用語の改訂があり35才以上の初産を高齢初産と呼ぶようになりました。

-高齢出産は増えてきているのですか?

明らかに増加傾向にあります。分娩全体の約60%が30才以上の分娩となりました。また、40才以上での分娩も全体の20%くらいを占めています。今では高齢出産は決して珍しくはありません。

-高齢妊娠のメリットとデメリットについて教えてください。

デメリット:37才以上の分娩では妊娠では流産・早産率がそれ以下の年齢に比べて4倍以上高くなっています。また、高血圧や糖尿病などの合併症に伴う妊娠が多いので、帝王切開が多く、妊娠中の厳格な体重管理・胎児管理が大変重要です。さらに、染色体異常の確率も増えます。分娩にかかる時間や出血量には差はありません。
メリット:若いときの妊娠に比べて経済的に豊かなことが多く、知識が豊富で育児情報をうまく利用できるお母さんが多いようです。

最後に、芸能人などが高齢で妊娠したことを加熱に報道するマスコミにも問題があります。自分も40才過ぎても妊娠できるんだなどと大きな勘違いしている女性がとても多いのです。37才を過ぎると生理的に卵巣機能が衰退し自然妊娠はなかなか難しいのです。35才くらいまでには妊娠分娩を済ませておくのが望ましいでしょう。

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