妊婦の体重管理の実際はどうなっているのか?
妊娠中の体重増加に関するガイドラインは、学会や研究会、行政機関によって様々です。日本産婦人科学会や日本肥満学会、厚生労働省、米国保健省のそれぞれ の体重増加の推奨値も目的も異なっています。ことに肥満妊婦に関する見解の相違は著しいものがあります。現時点での推奨されるガイドラインとして決まった ものはないようです。
生まれてきた赤ちゃんの状態と妊婦の体重増加との関係はあるのか?
それでは、生まれてきた赤ちゃんの状態と妊娠中の体重増加には何らかの関係性があるのでしょうか?
妊娠中の体重増加が14Kgまでであれば周産期異常の発症率は増加しないとの報告もあります。また、過度の体重増加抑制が必ずしも周産期異常の発症率を減少させるのではないと言う事も分かってきました。
体重増加が少なければ少ないほどよいのか?未熟児は将来メタボになる。
注 意しなければならないのは、妊娠中に8Kg以下の体重増加しかなかった場合には、妊娠週数に比べて高率に妊娠週数に対して体重の軽いあかちゃんが生まれる との報告があります。つまり体重増加が少なければ、少ないほどよいわけではありません。妊娠中の体重増加が少なすぎることにも問題があることを知っておき ましょう。また、最近では未熟児(2500g未満あるいは以下)で生まれた赤ちゃんは将来的に(40才過ぎから)メタボリック症候群になりやすいことも明 らかとなってきました。
明らかに関係があるのは妊娠する前の体重
以 上のことから、普通の体重のお母さんは妊娠中の体重増加は14Kgまでにしておきましょう。妊娠する前からの肥満は潜在的に周産期異常を高めることが明ら かとなっています。妊娠してから体重のことを気にかけるのではなく、妊娠する前から適正な体重に保っておくことこそが大切です。