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産道の長さ(子宮頸管長)と早産

 熊本県では切迫早産などで、新生児集中医療施設(NICU)に入院が必要なときでも、そのベット数の不足から1年間にお母さんごと30症例程度が県外に搬送(母体搬送)されています。そうならないためにも早産防止が重要なわけですが、①歯周病の予防などが役に立つことも分かってきました。また、②早産の引き金になる細菌も分かってきたために、予防的な抗生物質を服用することも行われています。


 それでも、早産が無くなっているわけではなりません。最近では経腟の超音波検査で早産するかどうかの予測がある程度できるようになりました。

 産道の長さや、産道の形を妊娠中期から注意深く観察してもらうことが大変重要です。正常な産道の長さ(子宮頸管長)は妊娠初期には5cm程度あるのですが、お産が近づくにつれて段々短くなっていきます。報告者によってある程度の差はありますが、おおよそ3cmの長さがあれば早産は避けられることが多いようです。ただし子宮頸管が開いていて鳥のくちばしの様な形(フンネルサイン)や出血があるようなときには要注意です。子宮収縮抑制剤を使用して入院安静が必要です。

ただし、この子宮頸管長が絶対的な評価でないこともあります。妊娠後期に1.6cmと短くなった産婦さんに入院を勧めましたが都合で入院できませんでした。けれども妊娠37週まで早産することなく正期産でした。つまり総合的に経過観察をして、産婦さんの仕事や生活環境をよく考えれ診療していくことが重要です。

産道の長さ(子宮頸管長)と早産

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