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赤ちゃんの動き(胎動)が極端に少なくなったら、すぐに受診を

― 胎児の元気さをはかる目安となる胎動。正常な回数とは?

牛島 10回胎動を感じるのにかかった時間を記録する方法が「10カウント法」です。妊娠末期では10回感じるのに平均15分、90%の方は35分以内です。妊娠末期になると妊娠42週にむけて、胎動は少なめになりますが、極端に少なくなることはありません。「2時間以上かかる場合は来院してください」という産婦人科も多く、急に動きが悪くなる時には要注意。

 胎動をカウントして胎動の状態をチェックする方法が有用である意見が多い一方、役に立たないという意見もあります。しかし、まれではありますが胎動の減少や消失が、胎児死亡の直前に起こることがあります。過去の報告では、「胎動が減少した」と訴えて来院された方の10%以上に、胎児の状態に問題がありました。

 

― 受診後は、どんな検査を行うのですか?

牛島 来院されたらNST(ノンストレステスト/胎児心拍数図)で、胎児が元気かどうか調べます。さらに超音波検査で羊水量、胎動の有無、胎児呼吸様運動、筋緊張、胎児血流、胎盤、胎児の発育を診て赤ちゃんの状態を確認します。

 

― その後の処置は?

牛島 胎児の状態が悪い場合は、帝王切開をしてすぐに赤ちゃんを娩出します。状態がよければ、そのまま帰宅していただけるので安心できます。
また、胎盤が突然はがれて胎児や母体の状態が悪くなる「常位胎盤早期剥離」の前兆として、胎動現象が起こることもあります。実際には胎動消失で緊急来院される方は200人に1人程度ですが、極端に胎動が少ない時は注意が必要です。

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