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妊娠率0.7%、妊娠阻止率90%-緊急避妊ピル!

●緊急避妊とは?

避妊をしなかったり、避妊に失敗した、あるいはレイプされたなどに引き続いて起こる危険性の高い妊娠を回避するための最後の避妊手段のことを言います。世界でもっとも普及している緊急避妊ピルであるレボノルゲステトレル(ノルレボ錠)を性交後72時間以内に服用すれば、
妊娠率0.7%、妊娠阻止率は90.1%との最新報告があります。

●緊急避妊のメカニズム

着床の阻害よりも主に排卵の抑制により妊娠の成立を阻止していると考えられています。投与後5日以内に約80%の女性で卵胞の破裂が抑制されるか、排卵障害が引き起こされる。その間に子宮内に進入しているすべての精子が受精能力を失ってしまってしまいます(精子は子宮内で平均5日間ほど生きています。)。生殖医学の世界では着床を妊娠の成立としているために、ノルレボは人工妊娠中絶薬の分類には入りません。

●服薬方法と注意点

① 本当に最終月経か確認すること。
② 最終月経以降の性交のうち避妊しなかったり、避妊にに失敗しなかったかを確かめること。ノルレボの服用は72時間以内に限ります。
③ 妊娠を望んでいる時には、ノルレボの胎児への影響はないので分娩を勧めます。
④ 服用後2時間以内に嘔吐してしまったら、同量を再服用してください。
⑤ 排卵時期を遅延させる作用機序による避妊効果なので、服用したから と言ってその後数日、あるいは数週間にわたって性交が行われるならば妊娠します。
⑥ 服用して月経がすぐに始まる訳ではありません。
⑦ おおむね服用後21日以内に月経様の出血があります。
  21日を過ぎてからの出血や出血の量が少ないときは妊娠を疑い、市販の妊娠反応検査をしてください。

*妊娠阻止率:
妊娠しうる時期に、緊急避妊薬を服用することによって、妊娠をどれだけ阻止することができるか、月経周期ごとの妊娠確率から求めた妊娠予定数を用いて算出した値。

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