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低血圧には診断基準がないって知っていました?

  「朝、なかなか目が覚めない」「すぐ疲れて横になりたくなる」「立ち仕事をしていると、めまい、立ちくらみがする」。特に何か病気があるわけでもないのに、そんな症状が続くのは血圧が他の人に比べて低いからかもしれません。

 高血圧には国際的な診断基準があるのに対して、実は低血圧には明確なものがありません。一般的に日本の病院では、最高血圧(収縮期血圧)が100mmHgより低いことを目安として診断する場合が多いという事です。

 低血圧が原因の体の不調は、朝起きられない、立ちくらみがするといった典型的な症状以外にも頭痛や肩こり、耳鳴り、不眠、胃もたれ、動悸(どうき)などがあります。こうした症状に悩まされるのは、比較的若い女性が多く、その原因の一つは女性ホルモン(エストロゲン)と考えられています。ホルモンが原因で起こる低血圧に対しては、有効な薬剤が少ないのが現状です。

 人間ドックを受診した人を対象にした国内のある調査研究では、39歳以下の女性の2割に低血圧がみられ、これは同年代の男性の4倍の頻度でした。女性に多い理由は、女性ホルモン(エストロゲン)に末梢の血管を拡張する働きがあるためだと考えられています。ある濃度のエストロゲンには血管を拡張させる作用があり、このために血圧が下がったり、偏頭痛の原因になったりすることがあります。妊娠して血液循環量が増えても血圧が上がらないのは、胎盤から産生されるエストロゲンの血管拡張作用のためです。

 

■薬で治療難しく

 高血圧と違い、低血圧には有効な薬物治療法が少ないのが現状です。血圧を上げる昇圧剤などもあるが、薬だけで症状が改善することは少なく、朝だけ低血圧で日中は逆に高めの人がいるなど、昇圧剤は薬のさじ加減が難しいようです。

 つまり薬剤に頼らずに少しずつ、毎日の生活改善をしていくと症状は軽減できる事がほとんどです。以下の工夫をしてみましょう。
 ①早寝早起きをする。②起きてすぐコップ1杯の冷たい水をのむ。③熱いシャワーを浴びる。④運動を習慣にする(軽い散歩など)。⑤弾性ストッキングをはく。⑥栄養や塩分不足に注意する。⑦食後にコーヒーやお茶を飲む。
 これらの工夫をしてみても。効果がないときには、血圧の内科専門医に相談してみましょう。

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