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不正性器出血があった時には

不正出血の時には癌と妊娠でないことを確かめましょう。

いつもの月経と違う出血を不正性器出血と呼びます。
そのような場合に考えられる病気と必要な検査についてまとめました。

 

-不正性器出血とは何ですか?

 いつもの生理とは違う時期、期間、量の出血が続く時を総称して、不正性器出血と呼びます。

-不正性器出血の原因の病気には何があるのですか?

 おりものや下腹部痛、特に性交時の出血や腰痛、血尿、血便などを伴うときや、下腹部の違和感などまである時には、子宮頸癌や子宮体癌、絨毛癌、子宮肉腫などのいわゆる悪性疾患によることがあります。良性疾患でも、子宮頸管ポリープや腟壁裂傷、老人性膣炎などが原因で性器出血する場合があります。
 また、忘れてならないのは妊娠に関係した出血です。自分ではいつもの月経と思っていたものが、流早産しかけている切迫流早産であったり、子宮外妊娠でも出血することがあります。前置胎盤や常位胎盤早期剥離などのように、胎児だけではなく、時として母親の命に関わるような病気の事もあります。

-不正性器出血の診断のポイントは?

 中間出血(予定生理の2週間前の出血、生理的な排卵日の出血)も含めて、診察、検査で妊娠と悪性疾患を否定し、命に関わるような病気でないことを確かめておきましょう。子宮頸癌はウイルスによる性感染症(性病)であり、20歳代でもしばしば見つかるようになりました。若い女性でも不正出血があったときには子宮頸癌検診を受ける良いきっかけになりますので、ぜひ産婦人科を受診しましょう。また、最近ではエストロゲンに似たものを含むサプリメントの摂取で不正出血を起こす症例も見られています。

-不正性器出血で受診するときに気にかけておくと良いことは?

 妊娠の可能性や、不正出血があったのは月経周期の何日目なのか、またエストロゲン様製剤やビタミンEなどのサプリメントを服用していないかを把握しておきましょう。

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