避妊アプリとは?
避妊アプリには、スウェーデン製のNatural CyclesやClueというアプリなどがあります。アプリによる避妊法は「Fertility awareness-based methods(FABMs)」といい、基礎体温を測定して排卵日の予測をします。排卵⽇前後が危険日、卵子の生殖能力が失われる排卵後24時間以降が安全日として分類され、アプリに表示されます。
Natural Cyclesは基礎体温をもとに独自のアルゴリズムを用いて危険日と安全日の予測を行いアプリに通知が来る仕組みで、失敗率は2-7%です。ピルの飲み忘れなどを想定した失敗率とほぼ同等であることを考えると、大変優秀なアプリです。
ウェアラブルデバイスで基礎体温測定の煩わしさから解放
このNatural Cyclesですが、今話題の指輪型のウェアラブルデバイスであるOura Ringとの提携しています。先日、初めてこのリングをはめている患者さんが来院されました。Oura Ring Generation 3(最新モデル)を装着したまま寝るだけで、夜間の体表温・心拍変動などの生体情報をもとに、今日が危険日か安全日かを知らせてくれるという仕組みだそうです。朝の忙しい時間に基礎体温を測らなくてもいいので、簡単にかつ正確な基礎体温が記録できて便利です。データが蓄積されるほど精度が増すようで、Oura Ringを装着して60日後以降は前回の生理日や周期性、規則性も反映されるとのことです。
Natural Cycles×Oura Ring のように、ウェアラブルデバイスで得られたさまざまなデータを用いてリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)の問題解決につながる取り組みは実に未来的です。ちなみに、これらのリングはamazonで購入可能です。
なお、Oura Ring が測定可能なものは以下です。
①体表温度②心拍数③心拍変動④日中の心拍数⑤運動時の心拍数⑥消費カロリー
⑦睡眠時間⑧睡眠段階判定⑨活動量⑩目標達成率⑪不活動時間⑫呼吸数⑬SpO2(酸素飽和度)
Oura Ring Generation3自体は2021年発売ですが、2022年にSpO2測定と睡眠段階判定のアルゴリズムが新たに追加されました。特に睡眠段階判定は既存の手首型ウェアラブルデバイスと比較すると、精度も高く判定できるそうです。指輪タイプなので睡眠時もあまり気にせず装着していられるのも良いですね。
最近ではLINEとの連携などで生理日予測や排卵予測を行うアプリもあるそうです。
このようなウェアラブルデバイスの利用者数もどんどん増えてきています。女性が自分の健康に関心を持ち、上手に管理するという未来は、女性自身のためにとても良いことでしょう。