1) 9 価 HPV ワクチンとはどんなワクチンですか
9 価 HPV ワクチンは、HPV6/11/16/18/31/33/45/52/58 の 9 つの型の感染を予防しますが、これらの型のうち HPV16/18/31/33/45/52/58 の 7 つの型は、子宮頸がんのみならず、女性の腟がんや男女ともに外陰がん、肛門がん、中咽頭がんなどの原因となります 。
また、HPV6・11 型は男女の生殖器粘膜にできる良性のイボである尖圭コンジローマの原因の約 90%を占めるとされています。9 価 HPV ワクチンは 2014年 12 月に米国で承認されて以降、現在では世界で 80 以上の国と地域で承認されています 。
日本では 2020年 7 月 21 日に、厚生労働省より製造販売が承認され、2021 年 2 月から日本国内で販売が開始されているため、任意接種(自費で希望者が接種すること)として接種することが可能です。日本の添付文書では、対象は 9 歳以上の女性のみで、効能・効果は子宮頸癌(扁平上皮癌及び腺癌)及びその前駆病変(子宮 頸部上皮内腫瘍 並びに上皮内腺癌・外陰上皮内腫瘍 及び腟上皮内腫瘍・尖圭コンジローマの予防となっています 。
接種者の副反応の全例調査が実施されており、万が一健康被害が生じた場合は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づく医薬品副作用被害救済制度の対象となります。 国の正式なワクチンプログラム(定期接種)とするかについて、2023年4月より開始される事となりました。
2) これまでに 9 価 HPV ワクチンの有効性は証明されていますか
9 価 HPV ワクチンと 4 価 HPV ワクチンの比較
国際共同試験では従来の 4 価ワクチンと同等の子宮頸部の高度前がん病変及び上皮内癌や外陰・腟の上皮内病変を予防する効果に加え、新たなターゲットとなった HPV 31/33/45/52/58 による病変が 97·4% 減少したことが証明されました。
この結果から、9 価 HPV ワクチンが世界中で子宮頸がんを約 90%以上予防すると期待されました。