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9価HPVワクチンの有効性は何年続くのか?

 HPVワクチンは、子宮頸がんなどの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を予防するワクチンで、世界110カ国以上の国と地域で無料です。国によって対象年齢が多少異なりますが、多くは9-14歳の間の年齢を対象としています。新型コロナやインフルエンザのワクチンのように、毎年接種する必要はなく、半年かけて2回または3回接種(初回接種時年齢による)をすれば、追加接種は不要とされています。
 2006年に実用化されたまだ比較的新しいワクチンなので、ワクチンの有効性が維持される期間についてのエビデンスは現在進行形で蓄積されているところです。4価HPVワクチンの有効性が14年以上維持されるというデータはすでに報告されていますが、9価HPVワクチンの10年間追跡データがこのたび米国から報告されました。

 

早期接種の重要性

 現状において世界で主流となっている9価HPVワクチンの長期有効性データは、おそらく今後他国からも報告されると思われますが、予想と期待通りの非常に優秀な結果だといえます。9価HPVワクチンがカバーしているHPV型に関連した病変を認めない、というのは素晴らしい結果であり、初めての性交渉よりも前に接種することの重要性が、さらに明確に示されました。
 日本では来年度までキャッチアップ接種が行われています。積極的勧奨が一時中止されていた期間に性交渉の経験があったとしても、9種類のHPV型の全てに感染していることはまずないので、接種の有効性は期待でき接種が推奨されます。ただ、なるべく早く接種するに越したことはありません。
 今後さらに長期の追跡データが蓄積されていき、もし、30年以上有効性が維持されることが示された場合は、乳幼児期の接種となる可能性も将来的にあり得るかもしれません。

 

 妊娠転帰に影響がない

 日本でも本年度より9価HPVワクチンが定期接種の対象に加わり、現在は9価が主流となっています。9価は15歳未満で1回目を接種する場合は2回、15歳以上であれば3回接種しますが、「将来また接種する必要はないのか」との質問を時々受けます。今回の研究報告により、この質問に対して、「現時点で10年追跡のリアルワールドデータがあることと、4価HPVワクチンのデータを考慮すると10年以上の有効性維持が期待できることにより、セックスをするアクティビティーの高い年代はカバーされるため、現時点で追加接種の必要はないと考えられると説明ができるようになりました。
 また、HPVワクチンについては過去の報道の影響もあり、安全性に不安を感じていらっしゃる方がまだ少なくありません。将来の妊娠への影響を懸念される場合にも、本研究結果の「妊娠転帰に影響はなかった」というデータが重要なエビデンスとなります。

 積極的勧奨が差し控えられていた間に接種機会を逃した1997-2007年度生まれの女性はキャッチアップ接種は2024年度までです。さあ!今すぐに、HPVワクチンを接種しに生きましょう。

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